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いろんな国の英語とそれ以上に大切な意味するものの違い

こんにちは。さくらリンケージインターナショナル CEO 上田怜奈です。 本記事は以前前身のさくらランゲージインスティテュートのブログに記載したものを、改訂し、転載したものです。 今回は、「いろんな国の英語とそれ以上に大切な意味するものの違い」というテーマです。 2015年に執筆した下記ブログとセミナーで主に語っているのは、国による英語の発音やボキャブラリーの違い。これはとても大切で、現場の担当者がまず苦労することの一つであり、依然としてトレーニングする価値のあるものなのですが、それ以上に現場やマネジメントが苦労することというのは、「同じ言葉でも意味することが国(地域)によって違う」ということです。言語学でいうところの、シニフィエ・シニフィアンの違い、とも言えるかもしれません。 大きな違いが生まれやすいものとしては、「すぐやります(例えばI’ll do it soon.)」が意味することの違いでしょう。例えばプロジェクトマネジメントの難易度の高さがあげられがちなインドでは(もちろん人や業界によって異なり時間厳守なケースもありますが)、ポジティブな、こちらを喜ばせてくれる意味合いでそのような言葉をよく聞くのですが、実際次に進捗確認したときに、手をつけていないといったことがよくあります。そのような場合には、初めにしっかり締切を定め、それが守られなければどういった問題が生じるかしっかりと議論すること、こまめに進捗確認をすること、あらかじめ上司やトップとコミュニケーションを取っておくことなどが大切になってくるでしょう。 また、ヨーロッパでも、フランスを含めた地中海沿岸の国々で、弁護士などのプロフェッショナルのEメールのレスポンスの遅さに頭を悩ませたことがある方も多いでしょう。その場合も、綿密なフォローアップや、初回の話し合い、そして全体的なスケジューリングの柔軟性が必要となってきます。 取引先、ビジネスパートナーとの関係で失敗しないために、あらかじめ細かく、様々な状況を想定して、かつ同国(地域)での経験が豊富な人の知見を含め、契約書を作成し署名しておくことが、そういった「時間」を含めた、言葉の解釈の違いによる、決定的なダメージを防ぐことにつながることも多くあります。 特に大きな違いとして、時間について上記説明しましたが、他にも、「合意」「契約」といった概念も、かなり国/業界/会社/人によって違っており、決まったと思いきや、くつがえされることが多いものです。口約束も契約と見なされると定めている国も多いのですが、実際に罰則がないと、多少被害を被っても、なかなか請求することができない、ということもあったりしますので、最後まで気を抜けません。 こういったコミュニケーションの齟齬を防ぐためには、自分自身の慣れといったこともありますが、その国や業界の事情に精通した人にサポートしてもらったり、場合によっては同席してもらい進めてもらうのは手かと思います。 言葉のちょっとした行き違いや立場上の勘違いで交渉がまとまらないケースというのはよくあります。 適切な専門家をご紹介できることも多いですので、そういった各国のビジネスコミュニケーションのご相談は弊社まで、ということで、今回は前置きが長くなりましたが、下記2015年のブログ記事をこれより転載します。 突然ですが、みなさんは英語圏出身ではない方と英語でお話をしたことがありますか。 現在、世界の英語話者人口は17億強(母語、公用語、外国語として用いている人の数)と言われていますが、そのうち母語として英語を使用しているのは3億5000万~4億人と言われています。 その中でも、特にインド英語やピジン英語(またはクレオール)と呼ばれるシンガポールの(街中で話される)英語は聞きとり/対応するのが難しいと言われています(もちろん、個人差、年代差も非常に大きいので過度に一般化することはできませんが)。 日本人の英語もかなり母語である日本語に文の構造、発音共に引きずられがちですので(言語学ではこれを転移と言います)、お互い様、というところもあるのですが、接する話者の出身国が分かっている場合、事前に情報を得ることで、コミュニケーションが大幅に改善できることが多くあります。具体的にはアクセントや発音、語彙の違い(英語圏の英語との意味の違い等)といったものです。 具体例を少しだけお話しますと、インド人と話すときに 「ワルク、ワルク」という言葉を聞き、 「???」と頭にクエスチョンマークが浮かんだことがある方もいらっしゃるかもしれません。 文法的にはほぼ完璧、語彙も高級語彙を用いて話すので、きっと正しい英語に違いない。しかし、該当する単語が自分の(心の?)辞書にはない。 答えは”work” 仕事、という意味のごく一般的な英単語で、インド人は多くの場合英語のrの音を伸ばさずにラ行の音で発音する傾向にあります。 thやt、dの音にも母語に由来する大きな特徴があります。

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どんなものがハラールなの?(ポイント編)ーイードをお祝いして

こんにちは。さくらリンケージインターナショナル CEO 上田怜奈です。 Eid ul-Adha Mubarak!世界中のムスリムの友人たちが、SNSのタイムラインに、7月30日から始まるイード(犠牲祭)を祝って、メッセージを投稿しています。 こちらルクセンブルクでも、アラブやアフリカの国々からのイスラム教徒は多く、インド食料雑貨店でも、簡単にイスラム教徒が食べるハラール食品を入手することができます。 本記事は以前前身のさくらランゲージインスティテュートのブログに記載したものを、改訂し、転載したもので、 今回は、「どんなものがハラールなの?(ポイント編)」というテーマでお送りしていきます。 まず上記の写真ですが、 これは2018年11月27日~29日まで、東京流通センターで開かれた、日本最大級のハラールビジネスのEXPO、Halfest Tokyo 2018のものです。 27日はマレーシアから、ダト・スリ・ムハンマド・リズアン・ユスフ起業家開発大臣をお迎えし、非常に盛大な開会式となりました。 私は当該イベントではMCと通訳を担当させていただきました。 ハラールについてのポイントをなるべく初めての方にもわかりやすく、簡潔に、以下説明していきます。 ✓ハラールという言葉について ハラール(Halal)というのは、アラビア語でlawful(合法的な)、許された、という意味の言葉です。イスラム法に則っているということを意味します。また、それと反対の意味の言葉は、Haramで、非合法なもの、という意味です。 ✓多岐に渡るハラール製品 ハラール製品、イスラム法に則って作られた製品というのは、多岐に渡ります。例えば化粧品や医薬品(豚由来の乳化剤やアルコールを使用していない)なども食品に続く主な分野です。 ✓ハラール製品の市場 世界のイスラム教徒の人口は増え続けているため、また、オーガニックのハラール製品などはイスラム教徒以外からも人気があることから、ハラール製品の市場は拡大し続けています。2022年までに、食品の分野だけでも、2兆ドル規模になると言われています。 ✓ハラール食品について どんなものがハラール食品になるかというと、基本的にはハラームとされるもの以外全てです。 具体的にいうと、原材料に豚やアルコール、またそれらに由来するものを用いていない、製造過程において、それらに触れていない(例えば、工場で豚の毛で作られたネットを使用している…などもNGとなる)もの。 豚以外の肉の場合、屠畜時にイスラム法に則った方法で処理されていること。

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マネジメントへのレポーティングと管理会計の英語

こんにちは。さくらリンケージインターナショナル CEO 上田怜奈です。 本記事は以前前身のさくらランゲージインスティテュートのブログに記載したものを、改訂し、転載したものです。 今回は、マネジメントへのレポーティングと管理会計の英語というテーマでお話します。 前半は、マネジメントへのレポーティングということで、社内の外国人のトップマネジメントへの報告/海外子会社が本社のマネジメントへ報告する場合、後半は管理会計の本を引用しながら、部門マネージャーへのレポーティングというイメージで見ていきたいと思います。 報告する社内のオフィサーが急に外国人に変わった、または新たに本社のマネジメントへ報告する必要性が出てきた場合などで、マネジメントへのレポーティングを英語で行う必要性が出てくるということはあるでしょう。 そんな時、ファイナンシャルデータに添えられた文を読んでみると、どこも共通した、同じような課題を感じることがあります。自分が言いたいことを詳細に渡りただ羅列していて、ハイライトや概要にあたるものがなく、非常にわかりにくい。 詳細を文でも表現しようというアイデアはよいかと思うのですが、時間がない人にとって、必要なところを好きなだけ後で参照できるように、まずは、前月や前期、前年同期比との大きな違いがある部分や、情勢の変化や新規サービス・製品などによる特筆すべきことをまとめるとわかりやすいかと思います。 別途文書ではなく、メールの本文にそういった説明を書く場合もあるかとは思いますが、それならなおのこと、ただ情報が羅列してあり長いとなると、もともと長いEメールを嫌う米国などの国では、しっかり読んでもらうのが辛いことがあります。 特に、CEOなどは会計畑を通らずに来た人もいますし、他社/他業界などから来た人にとっては、その会社・業界での数字が意味することが、就任直後はわかりにくい場合などもあったりします。 もちろん、しかるべき精査を受けられるように必要な、特に数値データは適切にすべて開示するのが大前提だと思いますが、後回しにされることがないよう、情報を整理して出すことは重要でしょう。 また、最近の欧州で行われた調査では、純粋な数値データではなく、意思決定につながるインサイトをマネジメントはレポーティングに求めている、という結果も出ています(Deloitte 2016)。これは財務部の方針にも関わってくることかとは思いますが、数値から見られる事象の解釈や、その数値に影響を与えたものの説明を得ることにより、より早い経営判断を下したい、ビジネス背景の理解により、戦略の策定に役立てたい、という気持ちの表れだと言えます。 管理会計の英語の本、特に「財務諸表の数字をいかに経理担当者だけのものではなく、マネージャー(とりわけ現場レベルの管理者)に伝えるか」ということに重きを置いた本としては、 Financial intelligence (Karen Berman and Joseph Knight, Harvard business review press,

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企業トップの英語とコミュニケーションー海外出張編

こんにちは。さくらリンケージインターナショナル CEO 上田怜奈です。 本記事は以前前身のさくらランゲージインスティテュートのブログに記載したものを、改訂し、転載したものです。 今回は企業トップの英語とコミュニケーション-海外出張編というテーマでお話します。 企業トップと言っても、スタートアップ経営者と、大企業のオフィサー・役員の方では求められることが異なってくるかとは思いますが、今回は後者についてお話します。 また、海外出張とは書きましたが、海外からのゲスト、要人などをお迎えするときにも、参考になることもあるかと思います。 私はこれまで、多いときで年間200件の企業研修に加え、20名以上の大企業の社長や役員の方の英語研修や異文化コーチングセッションを行ってきましたが、海外出張の準備というのはその中でも特に多く行ってきました。 大企業の場合、企業のトップの方が海外出張をするときは当然のように通訳が手配されるため(社内外を問わず)、実際に自分の言葉で話される、というときは、会食のときだったり、式やイベントでの雑談、またはスピーチというケースが多いかと思います。 つまり、実際の業務に直結する、といった定型的なものよりも、時事的なことや、業界のホットトピックなどが多かったりするのです。 ですので、当然用意しておくべき事業の本筋を説明する内容に加え、下記のことに関する準備をおすすめします。準備には、事前に出そうな話題のリサーチとその話題に関する情報、その話題が出た際に使える英語の例文や用語などの用意が含まれます。 ・日本で最近国際的に話題になったこと(BBCやCNN、それから訪問国のニュースを見て、日本というキーワードでどんなことが取り上げられたか調べることができます。また、日本の英字ニュース媒体で、その出来事をどんな風に英語で表現できるか知ることができます) ・訪問国で最近話題になったことで特に話題として取り上げやすいもの(事業への影響があるものだったり、国民として誇らしい出来事など) ・国際社会で話題になった、なっていること(G7や今であればCOVID-19の動向もそうですね) ・お互いの業界、あるいは近しい業界でのホットトピック などです。 こういったことを、リストとしてトピックを選定し、情報を得るだけでも大きな安心感になりますし、英語でもしっかり網羅しておくと、いざというときに、通訳を介さなくてもちょっと話してみるか、という自信と行動に繋がります。 場合によっては、上記に、ニュースだけではなく関連書籍の読書とそのアウトライン、感想を英語でまとめておく、というのも入ってくるかと思います。 こういった武器があれば、会食でも、余裕をもって振る舞うことができるでしょう。 相手の話に対するリアクションや、それに対してまた英語で質問する、というのも意外と難しい、コツがいることですので、ぜひロールプレイで練習をして、ウィットの効いた、和やかな会話を愉しめるようにしましょう。 本日は以上です。 お読みいただき、ありがとうございました。 国際コミュニケーションのコンサルティングファーム クオリティ翻訳/企業研修/欧州進出コンサルティング さくらリンケージインターナショナル社 創業者兼CEO 上田怜奈

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現地のインド英語と文化(しっかり聞き取ってビジネスに繋げる)

こんにちは。さくらリンケージインターナショナル CEO 上田怜奈です。 本記事は以前前身のさくらランゲージインスティテュートのブログに記載したものを、改訂し、転載したものです。 今回は現地のインド英語について、です。 タイトルに現地の、と書きましたが、日本や海外にいる国際的なインド人には必ずしも当てはまらない可能性があるということ、また本記事は違いについて面白おかしく取り上げるのではなく、いかに理解して、ビジネスをよりよく進める糧にするか、ということにフォーカスしてインド英語を語っていきたいと思います。 (参考)様々なインド英語をまとめた動画 まず初めに…いきなりですが、どうやってインド英語を聞き取るかということについてお話します。私は今でも時折、話者の出身国を問わず、商談等の英語通訳を引き受けるのですが(※2018年現在。今は、プロジェクト単位でのお引き受け、または通訳者紹介をしています)、そのとき、対象国の人が英語で話す動画を見てから臨むようにしています。 特に、いわゆるネイティブとされる国出身者以外(あるいはネイティブでも訛りが特に強いとされる地域。映画trainspottingなどはそれで有名ですね)の方がメインの話者になる場合は必ず、です。 そして、全体を通して、発音の癖を見ていきます(正確には、いろんな国の人の英語の発音自体はこれまで経験済みであるため、頭の中で改めて微調整する感じです)。 余裕があれば、おそらくこれが実際は一番大切なのですが、実際に自分でもまねて発音してみます。いわゆる音読です。 例えば、インド英語の場合代表的なものとしては r をやや巻き舌で、「ル」のように発音する、ということ(正確にはアラブ諸国などでも) car  だったら、 カール のように発音する人も多い。これを知っているだけで、聞き取りやすさがぐっと変わるかもしれません。 parkは パルク です。 また、その他に特に印象的な発音としてはそり舌音です。英語でtとdと表記するところに多く、この音が現れます。実際、インドの公用語であるヒンディー語では、tとdとは別の(そり舌発音の)文字が当てられます。 ticket  ティケット  टिकट(ヒンディー語表記) doctor ダクタル    डॉक्टर

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決算資料と英語の論理展開

こんにちは。さくらリンケージインターナショナル CEO 上田怜奈です。 本記事は以前前身のさくらランゲージインスティテュートのブログに記載したものを、改訂し、転載したものです。 英語と日本語の文章において、言葉そのもの以外に大きく異なってくるものとしては、「論理の展開の順序」があげられます。 もう少し具体的に説明すると、抽象→具体の流れです。 「トピックセンテンス」という言葉は、大学受験などで「パラグラフリーディング」の方法を学ぶときに聞いたことがあるかもしれませんが、パラグラフ(段落)の中で、主張を一文でまとめたもので、その文のあとに、具体例などが続きます。 起承転結を重んじる(?)日本の文章とは対照的な流れです。 日本人が行う英語のスピーチにしろ、作文やEメールにしろ、文法的な正しさや語彙はクリアしているのに、わかりにくい、間違っているとさえ言えるのではないか、と言えるものをよく見かけます。 その多くに共通しているのは、この英語のアウトプットの構造が守れていないことであると考えます。 仕事で、某業界の大手数社のIR資料(決算短信でした)を日英比較していたときに、センテンスとしては日本語原文が英文に細かく正しく訳されているのに、とてもとても読みにくいものがありました。 その大きな理由としては、重要なところが段落の最後に位置しているため、ストーリーがとても見えにくいということ。 おそらく外国人投資家の方々は数字のところだけ見て、この文章のところは読みづらく挫折してしまうのではないか…とあやうく頭を机にぶつけそうになりました。 東証一部の株式の売買などは外国人投資家が7割程度を占めているそうですが… グローバル化を推進!といったような話をホームページやアニュアルレポートに記載している企業様は多く、それはとても素晴らしいことだと思いますが、同時に、実際のグローバル化という意味では、こういったこと(資料の読みやすさ、使いやすさ)に気を配るのも、会社の印象や評判を保つという意味では、大切なのではないかと思います。 ただ、逆にいうと、心掛けによってすぐ改善できることでもあるので、思い立ったらすぐに手を付けることのできる課題なのかな、とも思います。例えばIR資料なら、純粋な翻訳ではなく、ネイティブにリライトしてもらったり、英語がネイティブで専門知識のある翻訳者を登用する、スピーチなら結論から話す癖をつけるといったことで改善するでしょう。 ぜひ、企業としてのグローバルなイメージ管理を意識して、広報文にも戦略的なコミュニケーションを用いるようにしましょう。 本日は以上です。お読みいただき、ありがとうございました。 国際コミュニケーションのコンサルティングファーム クオリティ翻訳/企業研修/欧州進出コンサルティング さくらリンケージインターナショナル社 創業者兼CEO 上田怜奈

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